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April 22, 2008

カテゴリー:Diving Equipment /カテゴリー:Scuba Diving; Other /カテゴリー:Skin Diving & Snorkeling

沖縄の海は伊豆に比べて塩分が濃いので、ウェイトが多めに必要である。

本島・離島を問わず、このようなことをよく耳にしますが、本当にそうでしょうか?

検証してみましょう。

データとして必要となる地域ごとの海水塩分濃度については、日本海洋データセンターのサイトの塩分統計から、経緯度1度で区切られたメッシュごとのデータを得ることができます。

これによれば、沖縄近海の塩分濃度は34.5‰(3.45%)から34.8‰、河川の影響を受ける相模湾や駿河湾の沿岸部を含む伊豆近海で33‰程度、伊豆諸島近海で34.2‰〜34.5‰と、それほど大きな違いは見られませんね。

なんか、計算する前から結果が見えてきましたが、めげずに先を続けます。

海水が物体に及ぼす浮力を計算するためには、海水の密度(比重)を計算しなければなりません。これには、UNESCOから公表されている「海水の状態方程式」と呼ばれる計算式を使用します。かなり複雑な式なので内容は省略しますが、塩分濃度と温度、圧力(水深)から海水の密度が計算できます。

ダイビングに関係する水深の範囲では圧力の影響は無視できるので、塩分濃度30〜40‰、水温15〜30℃の範囲で海水の密度を計算した結果は以下の通りです(単位はkg/m3)。

30‰ 33‰ 35‰ 40‰
15℃ 1022.122 1024.431 1025.973 1029.834
20℃ 1020.954 1023.238 1024.763 1028.583
25℃ 1019.569 1021.832 1023.343 1027.127
30℃ 1017.985 1020.230 1021.729 1025.483

この数値を見ているだけではよくわかりませんから、モデル計算をしてみます。

以下の表は、総重量100kg(体重75kg+装備重量20kg+ウェイト5kgを想定)のダイバーが、塩分濃度33‰・水温20℃の海(伊豆を想定)で中性浮力となる場合、それぞれの塩分濃度・水温でどれだけの浮力変化が生じるかを計算したものです(単位はkg)。

30‰ 33‰ 35‰ 40‰
15℃ -0.109 0.177 0.267 0.645
20℃ -0.223 (基準値) 0.149 0.522
25℃ -0.359 -0.137 0.010 0.380
30℃ -0.513 -0.294 -0.147 0.219

伊豆と沖縄を想定した塩分濃度33‰と35‰のケースでは、-0.294〜0.267kgと、たった600gの範囲に収まる浮力変化にすぎません。

世界的にみた場合でも、海水の塩分濃度はおおむね30〜40‰の範囲に収まり、しかも、一般的に、塩分濃度の高い地域は海水温が高い低緯度地域に集中していることを考えると、海水の塩分濃度と水温の影響による浮力変化は、最大でも1kgに達しないと想定されます。

結論:伝説は大ウソ!


一応補足。

河川や湧水の影響を大きく受けるポイント、たとえば大瀬崎あたりだと、狩野川や狩野川放水路の影響を大きく受けるので、とくに大雨の後などでは局地的に塩分濃度が下がっているという可能性はありますし、海水の入れ替わりが少ないリーフ内では、一般に塩分濃度は高めであると言われています。

それが実際どれぐらいの塩分濃度になっているかが問題ですが、少なくとも、沖縄と本土について一般論としての比較をする限りは、結論は変わらないものと推察します。

もし実務上の経験として、同一条件のダイビングにおいて本当に沖縄のほうがウェイトが多めに必要であるという事実があるのなら、それはどこか別のところに理由があるはずです。

投稿日 : Apr 22, 2008 11:48

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コメント (7)

きっとさ!!
青い海と沢山のお魚ちゃんに大興奮して、呼吸をいっぱいしちゃうんだよ♪♪
えへへ

投稿者 : のりたん | 投稿日時 : Apr 22, 2008 20:07

そんな話初めて聞いた。
あんがいウエイト重量の精度の問題だけだったりして。

投稿者 : きんすけ | 投稿日時 : Apr 23, 2008 00:13

のりたん さま

きっとそうだね。うほほ。


きんすけ さま

最初聞いた(読んだ)ときは「何をばかなことを」と思ったんですけど、
その後まったくつながりのないところで何度も聞くとねぇ…。

投稿者 : sealion | 投稿日時 : Apr 23, 2008 17:18

伊豆と沖縄で水温の差が5℃程度は普通にあるので、その観点で見るとまったくと言って良いほど違いませんね。
伊豆諸島と沖縄では塩分濃度が変わらないのに伊豆諸島では浮きやすいという話はありません。
沖縄はアルミタンクの普及率が高そうです(もちろん統計はありませんが今まで沖縄で使ったタンクは殆どアルミ)。
もともと比重が軽いと分かっているアルミタンクですが、潜行できない理由に塩分濃度を持ってきているのかもしれませんね。
もしかしたらアルミタンクの種類が本土で普及しているものと違うのかな?今度測定してみましょうね。
まあ、そもそも快適に潜れるウェイと量の範囲と、潜行できるウェイと量の範囲ではずいぶん異なっていると思います。
快適に潜れるというのであれば、いわゆる適正ウェイ量が大切ですが、潜行可能か?とう基準であればよっぽどのことが無い限り潜行して普通のダイビングはできますね。なぜなら最初の5mを越してしまえば殆どの場合ウェイトなどいらないからです。
要するに沖縄にはたまにしかダイビングをしないスキル不足のリゾートダイバーが多いというのが結論ではないでしょうか。
必要なスキルはトレーニングしておかないと危険なのにね。

投稿者 : しろくま | 投稿日時 : Apr 25, 2008 10:11

しろくま さま

>要するに沖縄には・・・が結論ではないでしょうか。
うっ・・・、それを言ってしまっては・・・。

アルミタンクについては、材質の問題なのか、構造の問題なのか、
同じ容量でも「浮きやすい」ものとそれほどでもないものがあるみたいです。
一度きちんと調べてみたいのですが、どうやって調べますかね。

投稿者 : sealion | 投稿日時 : Apr 26, 2008 02:58

リゾートのウェイトは1個が1kgじゃあなくて1ポンドという話も聞いたことありますよ。
そうすると当然いつものつもりで潜ろうとすると軽すぎて潜れないちゅうことになりますが。。

投稿者 : カッパ | 投稿日時 : May 17, 2008 20:22

いくらなんでもウェイトの「数」で決めたりしないでしょ?
1kgでも2kgでも「1個」ってか?

投稿者 : sealion | 投稿日時 : May 17, 2008 21:21

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