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December 21, 2006

カテゴリー:Marine Life

『カエルアンコウ』と聞いてすぐに「はは〜ん」と思われた方は、かなりの事情通ですね。大半の方は「はぁ?」てな感じでしょう。あるいは、魚好きを自認するダイバーの方だと、「あ、俺わかんない〜」とショックを受けた方もいらっしゃるかも。

でも、ご安心を。これはまだ正式には決まっていない仮の名前ですから。

じゃあ、同じ仲間で『イロカエルアンコウ』『クマドリカエルアンコウ』『ソウシカエルアンコウ』と書けば・・・、もうお分かりですね。『カエルアンコウ』とは、現在、日本魚類学会で検討されている、『イザリウオ』の新しい標準和名の案なんです。

そもそも、魚に限らず動物全般の話として、正式な名前はあくまでも「学名」であり、「和名」は通俗的な呼び方に過ぎなかったのですが、いろいろと議論の末、少なくとも魚類に関しては、2003年4月、日本魚類学会に標準和名検討委員会という組織が作られ、学会として標準和名の検討に乗り出すことになりました。

まあ、そこまでの経緯は小西英人さんのブログ遊漁亭の記事『学会シンポジウム 標準和名』あたりに詳しいのですが、そもそも魚類学会が乗り出さなければならなくなった背景が、いわゆる「差別語」を含む和名の呼び替え問題だったわけです。

2005年9月、前記委員会は、まず、「標準和名」について、『名称の安定と普及を確保するためのものであり、目、科、属、種、亜種といった分類学的単位に与えられる固有かつ学術的な名称』であり、『自然科学、教育、法律、行政等、分類学的単位を特定し、共通の理解を得ることが必要な分野での使用が推奨される。ただし、それは通俗名(方言や商品名等)の使用を制限するものではない。』と答申しました。

そのうえで、2006年10月、『「メクラ、オシ、バカ、テナシ、アシナシ、セムシ、イザリ、セッパリ、ミツクチ」の語を含む和名については、1)国内産・外国産を問わず改名すること、2)今後、新和名を提唱するときには、これらの差別的語を含まないよう配慮すべきである、との結論』に達したとし、併せて日本産魚類50種についての改名案が示されました。

ただし、改名案については、日本魚類学会の会員を対象とした意見募集(終了)等の手続きを経て、2007年2月に最終勧告が公表される予定であり、今後内容が変更される可能性はゼロではありません。(すでに「変更が決まった」と報じているサイトもありますが、現在はあくまでも原案が公表された段階です。)

もちろん、魚類の標準和名に限らず、この種の問題は賛否が分かれるところでもあり、前記委員会においても、『ここでいう標準和名とは、あくまでも和名の安定と普及を確保するための各分類学的単位に与えられる固有かつ学術的な名称を指し、旧名および通俗名を必要に応じて使用することを妨げるものではない。』としています。

まあ、私としては、『○○モドキ』とか『ニセ○○』とかいう可哀相な和名のほうを何とかしてあげてほしいんですけどね。


伊豆海洋公園・1.5番(静岡県伊東市)、水深約25m、2006年12月撮影

この子も『オオモンカエルアンコウ』になっちゃうのかな?

【関連リソース】
 日本魚類学会
  標準和名検討委員会
   『魚類の標準和名の定義等について』
   『魚類の差別的和名の改称について』
   『日本産魚類の差別的標準和名の改名案』

投稿日 : Dec 21, 2006 21:04

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コメント (2)

何でもいいけど、短くて分かりやすい名前がいいな〜。
だって、ログブックに書く時は全部カタカナで書くから・・・

投稿者 : 三毛猫ぽち | 投稿日時 : Dec 21, 2006 21:42

魚の名前一つ取っても奥が深いですねー。
よくよく考えてみたら差別用語が続出だったんですね。
イザルもそうだったとは・・・。
自分の無知さが身にしみました。(^−^;)

写真、可愛いです。
カエルアンコウの種類は見てみたいんですけどまだ見たことないです。

投稿者 : むつむつ | 投稿日時 : Dec 22, 2006 11:02

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