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September 10, 2006
9/2 USS EMMONS
カテゴリー:Scuba Diving; Log /カテゴリー:Travel; DomesticSeptember 12, 2006 一部修正
ダイビング初日、Eさんと私は本部半島の北側にある沈船ポイント『USS EMMONS(エモンズ)』へ行きました。(Okさん、Ooさん、Sさんの3名は南部の『ルカン礁』へ。)
USS EMMONSは、太平洋戦争時に沈没した米海軍の高速掃海艇で、今帰仁村(なきじんそん)の古宇利島(こうりじま)の北西、水深約45mの地点に沈んでいます。実は、昨年の沖縄遠征時(10/20〜22 慶良間ダイビング(予告編)ほか参照)に行きたかったのですが、10月も半ばとなると、沖縄では早くも北寄りの季節風が吹き始め、海が荒れて潜ることができないということで断念したのでした。もちろん、台風とかでうねりとか西寄りの風が入っているときも潜れないようです。
さて、ポイント最寄の港で、今回チャーターした船が出る古宇利島の港までは、那覇からは沖縄自動車道経由で1時間半〜2時間程かかりますが、2005年2月に全長1960m(無料の道路としては日本最長とか…)の古宇利大橋で古宇利島と名護市の屋我地島が結ばれるまでは、さらに今帰仁村の運天港から船で渡る必要があったそうです。ちなみにこの古宇利島、沖縄の伝説によれば人類発祥の島なんだそうで…。
古宇利大橋の中央部は航路を跨ぐために高くなっているのですが、そのあたりから眺める海は、もう、那覇付近の海とは明らかに色が違い、いやがうえにも気分が高まります。
港を出て、海面付近だけが大きく抉られるように侵食された奇岩などを眺めつつ船を走らせること約10分でUSS EMMONSの待つ海域へ到着です。島からはさほど離れていないとはいえ、周囲には遮るものがまったくない外洋ですから、たしかに、少しでも北〜西寄りの風が強く吹いたりうねりが入ったりすると厳しいものがありそうです。幸い、この日は風も波もほとんどといっていいほどなく、天気も快晴で、絶好のダイビング日和といえそうです。
まず1ダイブ目は船首側のロープから潜ることにしました。エントリーすると水温は29℃もあります。内地の海と比べると格段に透明度は高いのですが、陸地に近いこともあり、さすがに水面からは船の姿を確認することはできません。
潜降ロープに沿ってひたすら降りていくと、水深20m付近からうっすらと船体が見え始め、水深25mを過ぎると、はっきりとその姿を捉えることができます。
真っ先に目に入ってきたのは、2門の5"砲。その姿はまさに戦闘艦のそれであり、事前の想像を遥かに超えるその光景に、思わず呻きとも叫びともつかない驚愕の声が漏れてしまいます。
船は、水深約45mの砂地に左舷側を上にしてほぼ横倒しに沈没しています。船体の幅が約11mですから、基本的には、水深約35mの左舷舷側に沿って潜ることになりますが、透明度がいいので、船の全容は十分に把握可能です。
実は、今回は、水深40mを越えるということで、普段伊豆で着ている5mmの両面スキンのウェットスーツを着てきたのですが、水深35mでも水温は28℃もあり、そういう意味ではもっと薄いスーツでも十分でした。
船体中央部寄りには破壊された船橋と思しき構造物も見られます。周辺にはいろいろ遺物も散乱していますが、この艦に限らず、「たとえ戦争で沈没した艦船であっても、その所有権は依然として合衆国政府にあり、許可のない一切の遺物の持ち出し・船内への侵入は認められない」というのが米国の統一的な公式見解であり(それが日本の法令または国際法に照らして認められるかどうかは別として…)、また、そもそも危険物がないという保証もまったくないわけで、むやみに手を出すのは控えたほうが良さそうです。
沈没後60年を経て、魚たちにとっては格好の棲み家になっています。とくにツバメウオは群れで棲みついているようでかなり見ごたえがあります。
もう1本の潜降ロープがある船体中央付近には、記念のプレートが取り付けられています。
プレートの銘文

訳:奉納 1945年4月6日の戦闘で失われた、USS EMMONSという名の我々の艦を記念して。(下部は犠牲者の名前?)
1ダイブ目は、船体の7割ほどを回って、潜降開始後約20分で浮上を開始しましたが、それでも完全な減圧潜水で、水深3mでの減圧停止は10分以上必要でした。
いったん港に戻って3時間ほどのんびりと休憩し、再びダイビングポイントに向かいます。2ダイブ目は、船体中央側のロープから潜降し、1ダイブ目に回れなかった船尾部へ向かう予定です。

USS EMMONS(沖縄県国頭郡今帰仁村)、水深約25〜30m(avi形式ムービー、30秒、約380KB)

USS EMMONS(沖縄県国頭郡今帰仁村)、水深約35m(avi形式ムービー、24秒、約290KB)
船尾の2基のスクリューのうち、1基はほぼ原形をとどめています。直径は4mぐらいでそれほど大きくはありません。
ツバメウオの群れ。
グルクン(タカサゴ)の群れ。
カサゴ(オニカサゴ?、フサカサゴ?)。
2ダイブ目は少し早めに浮上開始しましたが、それでもやはり水深3mでの減圧停止は10分以上必要でした。
USS EMMONSは、おそらく、日本で唯一原形を留める軍用艦の沈船に潜ることができるポイントだと思うのですが、沈んでいる場所と水深が良かったのでしょうか、台風や季節風の影響を受けやすい場所にしては意外に良好な状態で船体が保存されているのには驚きました。今回は初めてでもあり、事前の想像を遥かに超える光景に圧倒され、あまり細かいところまで見る余裕がなかったのは残念ですが…。
ただ、水深が深く、ほぼ確実に減圧潜水となることから、希望すれば誰でも潜れるというわけではなく、減圧潜水を含む大深度潜水について、ある程度のスキルと経験がなければ危険な状況も予測されます。そのため、現地のショップとしても、そうそう頻繁にツアーの設定できるポイントではなく、海況のことも考えると、潜る機会を作るのはなかなか大変そうです。しかし、いつかまた必ず潜ってみたいと思わせるポイントでした。
【参考】
USS EMMONS 簡易年表
1941年12月:駆逐艦(DD457)として就役
1944年11月:高速掃海艇(DMS22)として改装・再就役
1945年3月:沖縄本土上陸作戦に伴う掃海業務に投入
同年4月6日:日本軍の特攻により大破、航行不能に
翌7日:自軍により撃沈処理
・・・
2000年8月頃:地元漁民による油流出の通報で海上保安庁が調査、リモートカメラにより沈船を確認するも船名特定できず
2001年2月:潜水調査によりUSS EMMONSと特定
同年4月6日:米海軍による公式追悼行事実施
2005年頃〜:ダイビングポイントとしての利用が本格化
USS EMMONS主要諸元
全長:106.2m(348'4")
全幅:11.0m(36'1")
総トン数:2,050t
主要武装:5"砲×4門、21"魚雷発射管×10基、爆雷投下機×6基
参考資料
Wikipedia英語版 USS Emmons (DD-457)
the USS Emmons DD457/DMS22 Association
投稿日 : Sep 10, 2006 00:24
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コメント (8)
これは凄そうですね。なぜか動画が見られないのですが、何となく雰囲気はわかります。
でもスケール感や存在感は、やはり見た人でないと実感できないでしょうね。貴重なチャンスをモノにしたお二人は良かったですね。それにしても透明度が良いと言うのは何にも増してありがたいですね。続編も楽しみに待っています。
明日のIOPも澄んでるといいな。明日もよろしくね。おっと早く寝なくては。
投稿者 : Sara | 投稿日時 : Sep 10, 2006 01:28
昨日は楽しかったです。新横浜での三本目はどうでしたか?
今、会社のPCでトライしたら動画見られました。
帰ったら家でも試してみますね。
投稿者 : Sara | 投稿日時 : Sep 11, 2006 10:30
おお、噂どおり面白そうなポイントですね。
いいなぁ。
カサゴはオニカサゴだと思います。
最後の写真が格好いいです。
投稿者 : きんすけ | 投稿日時 : Sep 12, 2006 01:09
家のPC2台とも、無事に動画を見ることができました。ご報告まで。
投稿者 : Sara | 投稿日時 : Sep 12, 2006 02:18
おうぁ、沈船、しかも軍艦! かっくいいっすね!
投稿者 : あかひろ | 投稿日時 : Sep 12, 2006 09:12
<Sara様
動画が見れない件、対策しました。
というか、私の解釈が間違ってました。
<きんすけ様
>カサゴはオニカサゴだと思います。
『日本の海水魚』によれば、オニカサゴの生息域は「琉球列島を除く南日本」となってるので??なのですが。
<あかひろ様
かっこいいでしょ、沈没軍艦。
投稿者 : sealion | 投稿日時 : Sep 12, 2006 12:32
沈船最高でしたよ。
沈船が大好きな上に、軍事マニアの私としてはこれ以上のポイントを探そうとしたら
ビキニ環礁に行かなくては・・・。と思うくらいでしたね。
でも、ちょっと深すぎだけどね。潜っている時間の半分くらいは減圧している感じだもんね。
減圧潜水に慣れていないと危険だから行かない方がいいと思いますよ。
特に二本目は水面休息時間によっては思いがけないパターンで減圧が出るから要注意。
水深3mで止まっているのも結構大変だよ。
時間が長いからチョット集中力失うだけで深度守れなくなるから。
投稿者 : しろくま | 投稿日時 : Sep 12, 2006 21:38
はい、まさにしろくまさんのおっしゃるとおりです。
下書きの段階ではそこらへんいろいろ書いていたんですが、ポイント紹介でも「沈船ダイビングの勧め」でも
なく、あくまでも私のログということで、「ある程度のスキルと経験」で括っちゃいました。
でも、やっぱり危険性についても触れておく方向で再修正します。
投稿者 : sealion | 投稿日時 : Sep 12, 2006 22:02
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